先日ご紹介させていただいた常栄寺雪舟庭の「千体地蔵菩薩」、

もうご覧になりましたか?

 

土曜日から始まった「山口お宝展」。

今回ご紹介させていただくのは、山口市の誇る国宝、

「瑠璃光寺五重塔」です。



お宝展において五重塔は、「内陣特別公開」を行っています。

つまり、普段閉ざされている五重塔の内部を、特別に

のぞくことができるという、極めて貴重な体験ができるのですが、

このお宝の価値をより理解していただくために、

すこし、お話をしてみたいと思います。

 

【応永の乱】

おおよそ600年前、室町幕府の将軍足利義満(金閣寺を建てた、つるつるの人)は、

西日本で急速に強大な力をつけていた大内氏を苦々しく思っていました。

そこで、自分達を脅かすその力を削いでやろうと、

少々いじわるな命令を下したのです。

(もちろん拒否すれば戦となります。義満はそれも計算ずくでした)

義満の意図は大内氏当主・義弘(よしひろ)にも伝わります。

遅かれ早かれ、戦いは避けられんと考えた義弘は、

当時大内氏の領土であった堺まで兵を進め、

ここに大内軍VS幕府軍、「応永の乱」が勃発したのです。

 

【大内盛見】

激しい戦いの末、義弘は華々しくも散り、

領土の大部分は取りあげられ、将軍義満の狙い通りとなります。

さらに骨抜きにしてやろうと企んだ義満でしたが、

応永の乱の際、山口の守備にあたっていた

義弘の弟盛見(もりはる)による、激しい抵抗にあいます。

結果、盛見は一部の領土を取り戻し、

大内氏は存続の危機を免れたのでした。

 

【五重塔】

その後盛見は兄・義弘の霊を弔うために、

当時の技術の粋を集めて、この五重塔を建築しました。

意外と知らない人が多いのですが、つまりこの塔は

一種のお墓なのです。

結果として、兄のために盛見が建てたこのお墓は、

大内文化の最高傑作として、日本三大名塔と呼ばれるようになるのですが・・・

さすがの盛見も、ここまでは予想し得なかったでしょうね。

 

さて、ここまで読んでいただいたところで、

遅くなりましたが、塔の内部をのぞいてみましょう。

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菩提を弔うための建物ということで、中には阿弥陀如来像が。

 

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そしてその隣には(この写真ではほとんど見えませんが)

大内義弘の像が。

 

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また他にも、約260以上前に納められたとされる

経典6929巻がびっしりと。

 

仕事上、いつも目にしている五重塔ですが、

内部をのぞき、義弘の像を見た瞬間、

応永の乱・・・夢半ばに敗れた義弘の無念や、

兄を想い、この塔を建てた盛見の気持ちが

ぐっと胸にこみ上げてきました。

 

瑠璃光寺五重塔は、見るものに感動をあたえてくれます。

その感動をさらに素敵なものにしてくれるのは、

このような山口の歴史ロマンです。

 

みなさまもぜひ、この機会に塔の内陣を拝見して、

歴史のロマンに身をゆだねてみてください。

そこには、五重塔の真のお宝が隠されていると思いますよ。

 

国宝・瑠璃光寺五重塔
内陣特別公開
日程は期間中の土・日・祝日です。
3月2(土)・3(日)・9(土)・10(日)16(土)・17(日)・20(祝・水)23(土)・24(日)・30(土)・31(日)
4月6(土)・7(日) 各日9時~16時