こんにちは!今回は大内人形の制作行程についてのおはなしです。
山口市の伝統工芸品として、また愛くるしいお人形として人気の高い大内人形は、いかにして命を吹き込まれていくのか?順にご紹介していきたいと思います!

ひとつひとつの人形に、たくさんの時間と、技術が詰まっています。

ひとつひとつの人形に、たくさんの時間と、技術が詰まっています。


1.木地(きじ)行程 〜大内人形の材料〜

まずは大内人形の素となる、木材の乾燥から始まります。
切り倒した木材は乾燥になんと4〜5年かかるとか。
乾燥がしっかり終了したら、大内人形に適した材質の木材を選びます。
よくつかわれるのは、ケヤキ、トチ、サクラなど。
(ただし、先生によっては、素地に竹や紙、大理石やガラスなどを使用したものも!)

そして、大内人形のあの丸みを生み出すために、モーターの回転を利用して木材を高速回転させながら、ろくろガンナという特殊な刃物で削っていきます。

2.下地行程 〜大内人形の基礎〜

木地行程で丸く出来上がった素地に、傷やムラがないかチェックしていきます。
もしあった場合は、こくそ漆(生漆、米のり、のこくずを混ぜ合わせたもの)を埋め込んで修復です。
強度を上げるために、割れやカケの起こりそうな場所を和紙や布で補強。
さらに、下地漆(生漆、との粉、じの粉)をヘラや刷毛で塗り重ねます。
仕上げに、乾燥した状態で砥石や水に強いサンドペーパーで研いで…必要に応じて、また下地漆を塗る作業を繰り返します
(もう、この時点でだいぶ手間がかかっていますね…)

3.塗装行程 〜大内人形のお肌〜

下地漆を塗った人形に、今度は下塗り漆を塗っていきます。
先ほどと同じように、乾燥させて、削って、塗って。必要に応じて繰り返します。
(今回は削るのに専用の木炭を使ったりもします)
その次は、中塗り漆
行程は、ほとんど同じ流れです。
(これだけ漆を重ねているのですから、大内人形が丈夫なのも納得ですね!)

下塗り、中塗り、ときたら、最後は上塗り漆です。
これは最後の仕上げ塗りなので、間違っても漆自体にチリやホコリが混じってしまわないように、特製の和紙で漆を数回、ろ過します。
さらに、上塗り室というホコリのたたない部屋で、慎重に作業を行います。

さあ、次はついに実際にお顔を書き込んだり、装飾したりの加飾行程です!
でもその前に、室(むろ)という、適度な湿気を含んだ押入のような場所で、半日から丸一日、乾燥させます。
(乾燥させるのに、湿気が必要?と考えてしまいますが、漆の主成分「ウルシオール」は、空気中の酸素と水分を吸収することで化学反応を起こして固まるそうです。その状態を「漆が乾く」と言います)

4.加飾行程 〜大内人形の命〜

とてもたくさんの人手、時間、手間をかけてきました。
ついに人形に命を吹き込む作業に入ります。
とはいえ、ここからはお作りになる先生のセンスが大きく問われる作業ですので、どのような作業があるのか、ご紹介したいと思います。

漆絵(うるしえ)…色漆で文様を描いたもの。
お顔を書き入れたり、花や家紋を書き入れたり。一番目に留まりやすい部分かもしれません。

箔絵(はくえ)…金箔、銀箔などを漆で貼付けて文様を描いたもの。
お姫様が持つ扇子に使われることが多いです。使い方にもセンスが問われます。

沈金(ちんきん)…上塗りした表面を沈金刀(小さなノミのようなもの)で彫って文様を描き、彫った部分に金箔をうめたもの。

蒔絵(まきえ)…漆で描いた文様の上に、竹筒に入れた金粉、銀粉を蒔いて文様を仕上げたもの。

螺鈿(らでん)…薄く削ったあわび、夜光貝、蝶貝などの美しく光る部分を、上塗りした表面に埋め込んだり貼付けたりしたもの。

いかがでしたでしょうか?

ちなみに木材の選別の時点から、完成までにかかる時間はなんと約2ヶ月…!
もしあなたが大内人形をお持ちなら、その大内人形が完成するまでにどんな苦労があったか、眺めつつ想像してみる
のもいいかもしれませんね!

また、この記事はこの後も画像を追加したり、もっと情報を増やしたりして充実させていく予定です。
お暇な時間に覗いていただけたら、とても嬉しいです!

過去のものですが、関連ブログも併せてごらんください〜。
「勉強になりましたっ!」